社会福祉法人の新会計基準の内容を説明し、新会計基準への移行をアドバイスします。

区分方法

適用範囲の一元化

現行基準では、同じ社会福祉法人でも社会福祉会計基準・経理準則・指導指針など様々な会計基準が併存しています。

新基準では、社会福祉法人が行う全ての事業を適用範囲とし、会計ルールを新基準に統一することにより事務処理を簡素化し、分かりやすい会計基準の作成を目指します。

適用範囲の一元化

区分方法の変更

現行基準では、社会福祉事業を一般会計、公益事業・収益事業に関する会計をそれぞれ特別会計として会計単位とし、法人本部及び定款に記載された社会福祉事業ごとに経理区分を設けていました。

就労支援事業会計基準・授産施設会計基準等を適用する就労支援事業・授産施設がある場合、それぞれ就労支援事業・授産施設のみの会計区分を設け他の社会福祉事業と区別しています。

一方、指導指針では、指定介護老人福祉施設等の主要な介護保険事業を行う施設・当該施設内・当該施設に併設して行う介護保険事業等が1つの会計区分とされ、その会計区分に含まれる介護サービスをセグメントとして内訳表示されています。

新基準では、法人全体を

  1. 社会福祉事業
  2. 公益事業
  3. 収益事業
    事業区分に分け、事業区分を拠点(施設・事業所)別に区分して拠点区分とし、各々の拠点で実施する事業別(指定通所介護・指定訪問入浴介護等)に分けてサービス区分とします。

法人全体に新基準を適用し、法人全体で資金収支計算書事業活動計算書貸借対照表を作成します。

区分方法の変更

新基準の区分の考え方による区分事例

区分方法の変更の事例
区分方法の変更事例の説明

まず、拠点区分を明確に決定

新基準は「拠点区分」を重視

「事業区分」「拠点区分」「サービス区分」の3区分のうち、まず「拠点区分」を明確に決定します。

新基準が「拠点区分」を「法人全体」と同様に重視していることは、財務諸表の様式が同じこと、その結果名称が同じこと、そして財務諸表に注記を必要としていることからもうかがえます。

この様に新基準では、「拠点区分」を重視していることから「拠点区分」を曖昧に決定すると後々大変混乱することになり、財務諸表の信頼性にも影響します。

そのために「拠点区分」を慎重に決定しなければなりません。

検討すべき事項

以下では、「拠点区分」を決定するときに検討すべき事項を網羅しました。
[check]拠点区分の方法は、原則として予算管理の単位とし、一体として運営される施設、事業所又は事務所をもって一つの拠点区分とします。ここで「一体」を場所の同一性として絶対的にとらえる必要はありません。所在地が点在していても、共通経費等を一体的に管理している等、一体的な管理がなされていると判断できる場合等には、同一拠点とすることができます。

[check]具体的な区分については、法令上の事業種別、事業内容及び実施する事業の会計管理の実態を勘案して区分を設定します。
[check]公益事業若しくは収益事業を実施している場合、これらは別の拠点区分とします。
[check]社会福祉事業と一体的に実施される公益事業は、当該社会福祉事業の拠点区分に含めて同一拠点区分とすることができます。この場合、一体的に実施する小規模な事業については、サービス区分を設定することで、収支の実態が判るようにします。
[check]次の施設は、それぞれの施設ごと(同一種類の施設を複数経営する場合は、それぞれの施設ごと)に独立した拠点区分とします。

① 生活保護法第38条第1項に定める保護施設
② 身体障害者福祉法第5条第1項に定める社会参加支援施設
③ 老人福祉法第20条の四に定める養護老人ホーム
④ 老人福祉法第20条の五に定める特別養護老人ホーム
⑤ 老人福祉法第20条の六に定める軽費老人ホーム
⑥ 老人福祉法第29条第1項に定める有料老人ホーム
⑦ 売春防止法第36条に定める婦人保護施設
⑧ 児童福祉法第7条第1項に定める児童福祉施設
⑨ 母子及び寡婦福祉法第39条第1項に定める母子福祉施設
⑩ 障害者自立支援法第5条第12項に定める障害者支援施設
⑪ 介護保険法第8条第25項に定める介護老人保健施設
⑫ 医療法第1条の5に定める病院及び診療所(入所施設に附属する医務室を除く)

[check]上記①から⑫まで以外の社会福祉事業及び公益事業については、原則として、事業所又は事務所を単位に拠点とする。なお、同一の事業所又は事務所において複数の事業を行う場合は、同一拠点区分として会計を処理することができます
[check]上記①から⑫と一体的に実施されている①から⑫まで以外の社会福祉事業又は公益事業については、上記①から⑫の施設の拠点区分に含めて会計を処理することができます
[check] 障害福祉サービス、複数の事業所又は施設であっても同一拠点とできる場合は、次のケースです。

①障害者自立支援法に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第171号)(以下「指定基準」という。)に規定する一の指定障害福祉サービス事業所若しくは多機能型事業所として取り扱われる複数の事業所
②障害者自立支援法に基づく指定障害者支援施設等の人員、設備及び運営に関する基準(平成18年厚生労働省令第172号)(以下「指定施設基準」という。)に規定する一の指定障害者支援施設等(指定施設基準に規定する指定障害者支援施設等をいう。)として取り扱われる複数の施設
③上記①及び②の事業所又は施設でない場合があっても、会計が一元的に管理されている複数の事業所又は施設

[check]新たに施設を建設するときは拠点区分を設けることができます。
[check]法人税法上の収益事業を一つの拠点区分とすることにより、税務申告を容易にすることができます。

具体的事例

事例1;甲市に特別養護老人ホームと併設のデイサービスがあり、また乙市にも特別養護老人ホームと併設のデイサービスがある場合
この場合は、甲市の特別養護老人ホームと併設のデイサービスをまとめて一つの拠点区分とし、乙市の特別養護老人ホームと併設のデイサービスもまとめて一つの拠点区分とします。なお、それぞれの拠点に含まれる特別養護老人ホームと併設のデイサービスはそれぞれサービス区分とします。

事例2:保育所と併設のデイサービスがある場合
この場合は、保育所と併設のデイサービスとは法令上の事業種別が異なるため、独立した拠点区分とします。






新会計基準への移行に関する、ご相談又はご依頼はこちらからお願いします。
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